こちらの記事は、シードVC「THE SEED」が主催する、起業家との個別メンタリングデー「BrushUp DAY」の書き起こし記事です。
起業前後には、創業メンバー集め、事業選定、資金調達について相談出来る相手もなかなかおらず、悩みが尽きることはありません。「起業家1年目の教科書」では、創業期の起業家から多数出た質問を中心に、現役で活躍する若手起業家から生の声をいただきました。
目次
- 【1.事業選定の方法】「お金の流れはどうなってるいるのか」を知る
- 【2.創業メンバーの見つけ方】大きなビジョンと「口説く力」
- 【起業1年目の教科書】起業家にすすめる3つのこと
Contents
【1.事業選定の方法】「お金の流れはどうなってるいるのか」を知る
堀江 裕介氏
dely株式会社代表取締役/CEO
1992年生まれ。2014年、慶應義塾大学在学中にdely株式会社を設立。2度の事業転換を経て、2016年2月よりレシピ動画サービス「クラシル」を運営。2017年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」にメディア・マーケティング・広告部門で唯一の日本人として選出。2019年6月にはレシピ動画本数が30,000本を突破、同月にはアプリが1,800万ダウンロードを超えるなど、クラシルを日本最大のレシピ動画サービスに成長させる。また2019年3月には女性向けメディア「TRILL」の運営会社であるTRILL株式会社を連結子会社化し、同社の代表取締役に就任。
堀江 裕介氏:若手起業家の場合、どの市場でどれくらいのお金が流れているかを理解せずにマーケット選定をしている人もいるかもしれませんが、起業してすぐ、まだ何もやってない時期というのは実は一番チャンスがあって、あらゆる選択肢が広がっている状態だと思います。というのも、会社で1つ事業をスタートすると、そこからなかなか離れられなくて。
例えば、営業を中心に事業を展開している会社が、C向けの凄く大きなプロダクト作ろうとすると、営業寄りの企業文化のなかでプロダクトを作って伸ばすのは難しいことが多いでしょう。
だからこそ、創業初期のマーケット選定は凄く大事です。事業選定をする際は、これは大きい山なのか、それとも小さい山なのかは判断できるようになった方が良いと思いますね。
でも、どこにどれくらいのお金が流れているかを学ばずに事業選定やマーケット選定をしてしまうと、あとで「あれこの領域、ジャンルめちゃくちゃ小さいな」と気付くんです。
そういう意味だと、delyは最初に選んだマーケットが大きかったことは、会社を成長させやすかったポイントかもしれません。
【2.創業メンバーの見つけ方】大きなビジョンと「口説く力」
堀江 裕介氏:創業メンバー集めは、アクションを起こすしかないと思います。いまだにdelyに来て欲しい人を探そうと、SNSを使ってずっと見ています。本当にこれは創業期から変わらず継続してやっていますね。
創業期は慶應のグループに入っている人やプロフィールにエンジニアと書いている人がいたら、ほぼ全員にメッセージを送っていました。何人ぐらいに会ったんだろう…メッセージを送った量はすごい数だと思います。
でも当時、会ってもらえた人はほぼいなくて、会った人全員を口説こうと思いました。もちろん苦労しましたが運良く最初の5人ぐらいに実際に入ってもらうことができて。
創業期の若手の方はこの「口説き力」を特に意識した方が良いと思います。
口説く力って、「このプロジェクト面白そうだな」と、どれだけワクワクさせられるか、ビジョンに共感してもらえるか、逆にいうとワクワクさせられないのはマーケットが小さいから、というのも理由としてあると思います。
当時僕が言ってたのは、物流を変えたいということでした。
いま世の中のEC化率がどんどん上がっている一方で人口は減少していて。物流業者がどんどん配達できなくなっているんです。その中で、Amazonは今後どうしたらいいのか。例えばUber Eatsのように民間の人がCtoCで運べる未来だったり。こういった流れはきっと来るじゃないですか。
そんな未来にむけて自分たちはどういった事業でそのチャンスに挑戦するのか、という話は人をワクワクさせられる。
とにかくビジョンは大きいほうがいいと思っています。
【起業1年目の教科書】起業家にすすめる3つのこと
1)お金の流れ、マーケットの全体像を把握する
堀江 裕介氏:若手起業家の創業タイミングは、マーケットの大小あたりは判断できるようになった方が良いと思っています。
僕は起業した頃、業界地図をよく読んでいました。まるっと1回全部読んでみると良いと思います。
どの辺にどのくらいお金が流れていて、どれくらい利益率が高いんだろうくらいを把握できると思います。
それからは、良さそうだなと思う会社が見つかったら、その1社の細かい事業計画を自分なりに作ってみるとか。
まずは大きく、全体を見てみて下さい。そこから気になる会社があれば、さらに調べると良いんじゃないかと思います。
2)創業メンバーを集めるために母数を作る努力をする
堀江 裕介氏:母数を確保するのは努力、打ち手の数だと思います。
創業メンバー候補がいないという人、エンジニアがいなくて開発できないという人がいますが、そもそも母数を確保する努力が足りてないことの方が多いと思います。
エントリー数、会う数というのは、あらゆる手段を尽くさないといけないですね。
3)口説く力を意識する
堀江 裕介氏:若手起業家にとって、ストックオプションをどれだけ渡すか、といった具体的なところはもちろん大事ですが僕の経験上、金銭的リターンだけで人を口説いても、結局辞めてしまうことの方が多い気がしています。だからこそ、どんな未来に自分たちのチャンスがあるのかというビジョンが大事だと思いますね。
やりがいと金銭面、その2つがあるとすると、やりがいだけでカバーする段階じゃなくなってきたら、金銭面もカバーするくらいがいいと思います。
良い人材は、もちろん金銭面も気にすると思いますし。良い人だったらドンドン出しても良いかもしれないですね。
若手起業家の創業期は、金銭的なメリットで誘うよりも、大きなビジョンに乗ってもらった方が良いと思います。
今、堀江さんが会いたい人
堀江 裕介氏:今の僕は個人投資家でもないですし、ある意味フラットな立場だと思います。
C向けのサービスの相談をお受けすることは今でも多いですが、C向け、B向けこだわりなく、テクノロジーに関わっている人であれば是非お会いしたいですね。
若手起業家の中でも大きなことを目指しているので、delyで一緒に明るい未来を創ってくれる人ももちろんご連絡お待ちしています。
▼delyの採用情報はこちら
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