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学生起業でも勝てる「マーケット選定の考え方」- 前例の把握と言語化- #起業家1年目の教科書

起業前後には、創業メンバー集め、事業選定、資金調達について相談出来る相手もなかなかおらず、悩みが尽きることはありません。起業家1年目の教科書では、創業期の起業家から多数出た質問を元に、現役で活躍する様々な若手起業家から生の声をいただいています。

今回は、「なんかスゲーの、次々と。」というミッションのもと、VR事業を中心に様々な事業を運営するZIZAIの塚本氏に、「起業家1年目の教科書」インタビューとして語っていただきました。

目次

  1. 【事業選定の方法】学生起業でも「勝てる市場」の選び方
  2. 【創業メンバーの見つけ方】起業初期、鍵を握るのは「信頼」できるメンバー
  3. 【創業期に気付けて良かったこと】会社として「お金」を使う・稼ぐ感覚
  4. 【起業1年目の教科書】起業家にすすめる3つのこと

塚本 大地(つかもと・だいち)
ZIZAI代表取締役CEO。1993年生まれ。名古屋大学在学中にWebサービスを複数リリースし、大学4年時に共同代表の渡辺と株式会社ZIZAI(旧DUO)を設立。ZIZAIでは、バーチャルライブ配信アプリ「IRIAM」やバーチャルタレントプロデュース「ミライアカリ」をはじめ、VTuber事務所「ENTUM」などVR事業を中心に様々なサービスを提供している。

【1. 事業選定の方法】学生起業でも「勝てる市場」の選び方

塚本 大地氏:初期の事業選定においては、ポリシーがありました。

そもそも、学生起業は、若くて、経験もなく、仲間もいません。基本的に、ビジネスをひととおり経験している社会人と比較しても勝ち目がありません。

だからこそ、身の丈に合う事業選択をすべきだと思っています。では、「身の丈に合う事業選択」とは何か。

まずはマーケット選定です。競合が少なく規模のでかい、勝算のある市場を狙うべきだと考えています。僕らが起業した頃は、とにかく絶対に東大生がやらないような、面白い分野を探し始めました。

「勝てる」市場をとにかく選ぶという目的がはっきりしていたので、車でも不動産でもなんでも…と、とにかく模索しました。

地方学生だったこともあり、スタートアップやベンチャーなどの概念について、ほとんど知りませんでした。そのような背景もあったからこそ…なのかもしれませんが、とにかく泥臭く「儲かりそうな市場選定」をしました。
起業当初はVCという言葉すらしりませんでした。

そんな経緯で、とにかくマーケットが大きくて、若者の参入がそこまでなかった事業を選びました。

類似企業、過去の事例を徹底的に把握する

塚本 大地氏:事業選択において、重要視しているポイントはもう一点あります。それは「前例があること」です。

過去の事例を見て誰も儲かっていない事業にも関わらず、なぜか、自分だけは特別で利益を出せると思っている人が多い気がします。(一部の天才はこれでも全然いけちゃいます!)

そもそもその事業モデルに何か問題があるからこそ、全員が儲けを出せていないわけです。つまり成功する確率が低い。まだ誰も儲かっていなかったりマネタイズがよくわからない事業は、起業初期にやるべきではないと思っています。

もちろん、未知の領域に僕自身も現在挑戦していますし、それはすごくロマンがあってかっこいいことであるという前提で、あくまで起業初期での話です。

だからこそ、「類似企業が類似ビジネスモデル・事業ドメインで、どのくらい上手くいっているのか」という感覚を意識しています。

この感覚は起業初期のみならず、サービスを開発する段階などでも、常に大切にしています。

世の中に存在するものには、基本的にサンプルがあります。その前提のもと、

「競合のA社は、何をしているのか?」
「A社が〇〇をしている理由は何か?」
「そもそも〇〇をすることは正解なのか?間違いなのか?なぜそう思うのか?」

といった問いを立てながら詳細を詰めています。

事業創造論とにかく「言語化」

塚本 大地氏:事業選定のポリシーを含め、基本的には何事も、「言語化できるのか」というのは大事にしています。

まずは考えていることや実行しようとしていることを1つずつ否定していきます。全て否定することはよくないと理解している前提のもと、

「これって、こんな理由でできないんじゃない?」
「それって、本当に自分がやる必要あるの?」
と問いかけ続け、失敗要因をひとつづつ事前につぶしていきます。

問いかける質問は無数にあります。
「このビジネスは良い利益構造になりえるのか?」
「この市場の中での差別化要因は?優位性は?」
「そもそも優位性などなくとも、利益が出やすい市場なのか?」
などなど、、
もちろんいくつ問いを重ねても終わりはないですし、できない理由を探すのは簡単なので、ある一定のところでとりあえずやってみる勢いや勇気は必要になりますが、事前の悲観の深堀は非常に重要視しています。

【2. 創業メンバーの見つけ方】起業初期、鍵を握るのは「信頼」できるメンバー

塚本 大地氏:僕らみたいな共同創業パターンは多少珍しいかもしれないので、どうして、今のCOOと創業したのかについて話します。

とてもシンプルですが、「彼は裏切らない。」そう思っていたので渡辺と創業しました。

彼とは5年間大学で一緒でしたが、起業する前までの4年間で、彼が非常に信頼できる人間であると確信を持ちました。

ビジネスの仲間を選ぶとき、普段の付き合いの中で積み重ねられる信頼はものすごく重視しています。具体的には、約束を守った数だったり…自分で発言したことを守る人間なのかどうか。これらは指標のひとつですね。

ちなみに、ZIZAIのCOOの渡辺は、ものすごくいいやつなんです。
大学のときに、レポートとか授業のメモなどを貸してほしいってお願いしたりするときも、全く損得感情を見せるような素振りもなくて。
5年間ほんとにほぼ全部の宿題やテストを彼に頼ってました。

彼は、5年間一緒に大学生活を送って、本当にいいやつだと信頼できたんですよね。そういった長年の信頼もあってか、今でも一回も揉めずに続いています。

やっぱり「誰と」一緒にやるかというのは重視する必要があるでしょう。

最初のメンバーはとにかく「信頼」が大事。会社の調子が悪くなったとき、本当に浅い人間関係だと、すぐに弾けます。どんなことも起こりうる起業初期は、本当にメンバー同士の信頼関係はものすごく試されると思います。

【3. 創業期に気付けて良かったこと】会社として「お金」を使う・稼ぐ感覚

塚本 大地氏:お金を稼ぐことの難しさに気づいたこと。

お金を使ってしまうことはものすごく簡単。一方で、価値提供をしてお金を貰うというのはめちゃくちゃ難しいんですよね。

お金を稼ぐことの難しさなんて、当たり前の認識だと思うでしょう。でも、起業してみてはじめて、難しさを身をもって痛感しました。

そもそも、お金は使わなければ減らないはずだし、どうにかすれば売上をたてて、儲けられると思っていました。

ただ、思っている以上にお金はすぐになくなってしまいますし、利益を出すというのは想像以上に難しいです。

最初は1,000万円のお金が口座にあったにも関わらず、半年間でほとんどなくなりました。
移動・宿泊をすればすぐにお金は飛んでしまいますし、給料も払わねばなりません。
そうしているうちに気づいたときには、お金がなくなっていたんです。

お金はすぐなくなってしまうということを感じた一方、売り上げを立てることの難しさも痛感しました。

初めて売上を立てたときのことは今でも覚えています。

初めての振り込みは32,400円で、消費税は2,400円。

それくらい詳細に覚えています。本当に、超嬉しかったんですよね(笑)。

今振り返ってみても、お金に対するこの感覚をちゃんと認識しているかどうかが、本当に重要なことでした。

【4. 起業1年目の教科書】起業家にすすめる3つのこと

塚本 大地氏:1点目は「仮説をもって『良い質問』をすること」2点目は「ポジティブでいること」3点目は「自分が近い将来通るであろう道を知ってる人に、地雷の位置を教えてもらうこと」この3つです。

1)仮説をもって「良い質問」をすること。

塚本 大地氏:仮説をもって「良い質問」をすること。これは大事だと思います。

特に起業初期は、人に頼ることも多いし、投資家や起業家の先輩方に相談に行く機会が多いです。

基本的に、相手からすれば自分たちは「得体の知れない人間」です。だからこそ、ファーストコンタクトで、「相手の記憶に残ること」が重要だと思います。

そうすれば、二回目以降も会ってもらえる確率が上がりますし、自分の成長速度が全然変わります。

ちゃんと相手や相手のビジネスについて調べて仮説を持って質問するか、何もせずに手ぶらで行くかでは全然相手の印象が違ってくると思います。

これは本当におすすめします!

2)ポジティブでいること

塚本 大地氏:「ポジティブでいること」これは大事。

会社から人が辞めていったり、お金がなくなったり、事業が失敗したり、業績悪化したり、あることないこと言われたり…起業家になると本当に思いがけない辛いハプニングがたくさんあります。

その苦しさを相殺するくらい、他の人よりも前向きで感受性豊かに、小さなことでも幸せを感じられることは非常に大事だと思います。
小さな幸せをたくさん感じられることと、「楽観視」とは近いニュアンスなんですが少し意味合いが違ったりもします。

小さなことからも楽しさや喜びを見いだせるような少年的な心を持ち続けるというのは、強さや優しさにつながると思います。

3)自分の「3年先、5年先にいる」先輩から教えてもらう地雷の位置

塚本 大地氏:今の自分の位置を把握した上で、自分がこの先どうなるのかという未来像がぼんやりですが見えてきます。

その未来像が見えた時に、自分よりも3年、5年先にいる先輩に相談できるとすごく将来の解像度が上がります。

僕自身も、今後苦しむであろうポイント、起こりうるハプニングをたくさん教えてもらいました。

先回りして教えてもらっていたからこそ、ハプニングにも落ち着いて対応できました。

成功の理由にはあまり再現性がないですが、失敗やトラブルにはかなりの共通項や法則性があると思っているので、それを事前に先輩方から学ばせていただくことは非常に重要だと思っています。

今、会いたい人

塚本 大地氏:とにかく新規事業を創りたい仲間が欲しいです!ZIZAIでは、とにかく明確で新しい事業を作っていきたい。

なので、ZIZAIで新規事業を作りたい人は、ぜひご連絡ください!

株式会社ZIZAI:https://zizai.co.jp/
採用募集ページ:https://hrmos.co/pages/zizai/jobs

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